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最終更新日:2018年04月20日

キャリアアップ講座

■ 臨床心理士編

1. 活動領域

更新日 2011年 8月 29日 臨床心理士の職域では、どのような職場があるのでしょうか。病院や学校以外にも、さまざまな職場で臨床心理士が活躍しています。これ以外にも、防衛省自衛隊や総務省消防庁などで働く臨床心理士も増えています。臨床心理士の活動の場を多く知ることで、就職や転職の可能性も大きく広がるかもしれません。

医療・保健 病院・クリニック、精神保健福祉センター、保健所など
教育 幼稚園、保育園、小中学校、高等学校、教育相談所など
福祉 児童相談所、婦人相談所、地域活動支援センター、老人福祉施設など
大学・研究所 大学、研究所、短期大学、専門学校など
司法・矯正 警察、科学捜査研究所、家庭裁判所、少年院、保護観察所、刑務所など
産業 企業内相談室、社員支援EAP機関、障害者職業センター、ハローワークなど
開業 私設カウンセリングルーム

臨床心理士は、どのような職場で働いているのでしょうか。日本臨床心理士会が2007年度に取りまとめた『第5回 臨床心理士の動向ならびに意識調査』の結果を見てみましょう。医療・保健領域が最大で、3割を超える臨床心理士が働いています。スクールカウンセラーで有名な教育領域でも、3割近くの臨床心理士が働いています。おそらく多くの方が思い浮かべる通り、臨床心理士の職域としては、病院と学校が2大領域であるといえます。

2. 臨床心理士の仕事風景

Case1:精神科病院の臨床心理士の場合
Aさん(20代 女性)

 外来と急性期病棟の兼務。朝8時から18時までの勤務。木曜日と日曜日が休み。
 個人面接のほとんどが外来。うつ病患者もしくは発達障害の子どもとのプレイセラピーや心理検査、保護者や教師へのコンサルテーションが主な業務になっている。これに対して、病棟では心理検査や他職種とのカンファレンスが多い。カンファレンスやカルテ記入は時間外の業務になることが多く、職場を後にするのは19時すぎることもしばしば。
 Aさんいわく、「勤務する病院にもよると思いますが、特に子どもを対象にする場合には、さまざまな発達検査とコンサルテーションができることがとても重要だと思います」。病院を訪れる患者の年齢や疾患、入院と通院の割合などが仕事内容に大きく影響するそうだ。
精神科病棟勤務心理士の仕事

年間スケジュール

Case2:児童相談所の臨床心理士の場合
Bさん(30代 男性)

 一時保護所の嘱託児童心理司として8時30分~15時30分まで勤務。土、日、祝日は休み。たまに時間外で対応することもある。1日の予定は変則的で、右記の予定は時間外対応した例。
 保護された虐待を受けた子どもをの個人面接を担当し、心理検査やプレイセラピーを行なっている。
 業務は幅広い。隔週で、小学生と中学生対象のグループセラピー、保護者へ虐待告知を含む検査結果説明を行う。その他、担当児に限らず、他の児童とも関わる場面も多く、保護中の子どもと生活場面で緊急に面接することもしばしば。また、保護所の指導員や児童福祉司に対してコンサルテーションを行うことも多いという。
精神科病棟勤務心理士の仕事

※年間スケジュールについては、非常に不規則な勤務であるため、割愛します。

Case3:スクールカウンセラーの場合
Cさん(20代 女性)

 公立中学校のスクールカウンセラー(SC)。1日6時間の年間28回勤務。
 仕事内容としては、大きく分けて、カウンセリング、コンサルテーション、授業観察、外部連携がある。カウンセリングの対象は、生徒・児童や保護者、教員。相談内容は、発達障害と不登校が多くを占めている。小学校のケースを担当することもある。
 コンサルテーションには、管理職が参加するケース会議と日常的な担任教員との連携の2種類がある。
 授業観察は、対象生徒や発達障害生徒の日常を観察し、情報を得ることが目的である。外部連携は、不登校生徒が通う適応指導教室との連携などである。
 SCとして重要なのは、発達障害と不登校の知識、それに対するコンサルテーションであるという。
精神科病棟勤務心理士の仕事

年間スケジュール

3. 勤務形態

日本臨床心理士会の行った『第5回 臨床心理士の動向ならびに意識調査』報告書によると、臨床心理士の約半数は常勤職に就いていることがわかります。ただし、常勤職でも、2割程度の方が非常勤の掛け持ちを行なっています。そして、非常勤のみで生活している方も半数近くいることがわかっています。

4. 収入

日本臨床心理士会の行った『第5回 臨床心理士の動向ならびに意識調査』報告書によると、年収300万円以上の臨床心理士が全体の65%を占めています。他方、国税庁が同時期にまとめた、平成19年民間給与実態統計調査では、男性の平均給与は542万円、女性は271万円でした。調査対象者の臨床心理士の7割は女性なので、臨床心理士の年収は民間の給与所得者と同等以上であると考えられます。ただし、修士の学歴を要する専門職としては、若干、低い水準の給与であるといえるかもしれません。

臨床心理士の年収

5. 求人情報の集め方

求職活動の手段や媒体には、大きく分けて以下の5つがあります。

(1) インターネット
会員制あるいは非会員制のウェブサイトを通じて、条件に合致した情報を素早く得ることができます。ただし、多くの方がアクセスできる情報であるため、競争倍率は非常に高まります。雇用主の情報としては、求人情報を幅広く公開しているため、公平でオープンな姿勢をうかがい知ることができます。職場内が、たとえば同じ大学の出身者で固められるといった、保守的な環境である可能性も低いと考えられます。
(2) 知り合いのコネ
指導教員や先輩、知り合いなどから、公募される前や公募する予定のない求人情報を、内々に知らせてもらう方法です。臨床心理士の求人では、今なおこの方法がよく見られます。見知らぬ心理士を雇うよりも、身内で探す方が安心である、と考える雇用主が多いからなのかもしれません。求職者にとっては、仕事が得やすい、引き継ぎが楽に行える、というメリットがあります。その反面、紹介者や雇用主の影響力が強くなる、職場関係や仕事内容が合わなくても辞めにくい、というデメリットがあります。
(3) ハローワーク
有益な求人情報に加えて、就職活動そのものについても助言をもらうことができます。公的な機関であるため、情報が信頼でき、一定の条件を満たせば、就職決定の際に就職祝金を受けることもできます。ハローワークの求人情報はインターネットでも閲覧することができます。ただし、臨床心理士の求人情報のうち、ハローワークに登録されているものは非常に少ないのが現状です。
(4) 電話
タウンページやウェブページを手がかりとして、お目当ての機関に、自分を直接売り込む方法です。極めて運がよければ、公募前の情報が得られたり、お試し勤務の機会が得られたりします。タウンページを開いて、精神科、心療内科などの病院、児童養護施設や総合病院、市町村役場に問い合わせてみるとよいでしょう。人事担当者や院長と直接、交渉できれば幸運です。ほとんどの場合は募集していない旨を告げられますが、見学だけでもさせてほしいこと、ボランティアからでも始めさせてもらいたいと伝えてみてはどうでしょうか。
(5) 広報誌や新聞
公的機関の公募は、市町村や都道府県の行政広報誌を通じて行われるのが通例です。Uターン就職を希望する場合は、故郷の家族や知人に頼んだり、直接出向いたりして、広報誌を収集しておきましょう。最近では、公式ウェブサイトで公募を行う自治体も増えています。
(6) 大学・大学院や大学相談室の掲示板
医療機関などから直接、求人情報が寄せられるケースがあります。歴史のある大学では、このような情報が多く寄せられます。一般的な公募よりも競争率が低く、好条件に恵まれる場合があります。指導教員に相談の上、応募を検討してみましょう。

6. ハローワークの利用方法

  • 求人検索のみであれば、全国どちらのハローワークでも調べることができます。しかしながら、失業中の場合など、特別な手続きが必要な方は、お住まいの地域ごとに定められた、管轄のハローワークへ通う必要があります。管轄のハローワークはこちらで調べることができます。
  • 開庁時間は、原則的には、平日の8:30~17:15です。平日夜間や土曜日にしか時間がとれない方は、こちらで、利用可能なハローワークを検索できます。
  • 雇用保険受給など、手続きによっては、離職票や印鑑、写真など事前に準備することが必要です。事前に電話で問い合わせてみましょう。
  • ハローワークでできること:求人情報検索や職業相談に加えて、履歴書の書き方や面接の受け方などの講習が利用できる場合があります。若年層や子育て中の母親向けの相談も行われています。離職時には、雇用保険の手続きもこちらで行います。
  • 利用は無料です。
  • 求人情報検索は、ハローワークインタネットサービスからも行えます。

7. 新卒者の就職活動開始時期

  • 指定大学院に在籍中の場合、医療・福祉分野の求人は、修士2年の9月以降、3月まで出ます。一般的な企業の求人と比べると、1年ほど遅いようです。
  • ただし、公務員の心理職の場合は、修士1年の春から夏頃に受験や面接を求められるのが一般的です。また、スクールカウンセラーの配置が決まるのも(都道府県、市町村によりますが)年内となります。
  • 修士論文の執筆時期との兼ね合いもありますので、就職については、指導教員とよく話し合い、入念なプランを立てておきましょう。

8. 初めての施設見学

多くの施設では、採用面接前に「一度見学にいらしてください」と案内するところが多いようです。採用者の意図としては、あなたのパーソナリティを事前に知っておきたいということと、仕事内容や職場環境を確認してもらって、ここで働きたいという意欲を強く持ってほしいということがあります。遠方に住んでいたとしても、都合がつくかぎり、見学に訪れるようにしましょう。

初めて施設見学に向かう際に、気をつけてほしいことがあります。
まずは、身だしなみです。
社会人を一度も経験していない大学院生の場合、どのような服装を選べばよいのかわからない人も多いようです。臨床心理学実習を担当されている大学の先生で「どうしてあんな格好で病院に出入りするのだろう。派手すぎない格好でと指導したのに・・」と頭を抱える方もいらっしゃいます。せっかくの施設見学が面接に不利になることは避けたいですね。

無難な身だしなみをイラストにしてみました。施設が精神科なのか、介護施設なのか、子どもを対象にした施設なのかにもよりますが、最も無難な服装として参考にしてください。施設によっては「ジャージできてください」「スーツに準じる格好で」と指定される場合もあります。心配であれば、尋ねてみてもよいでしょう。 施設見学・実習のときの服装 また、施設見学の際には手土産を持参することが一般的です。施設側に「お忙しい中、見学のお時間やお手間を割いていただき感謝いたします」という意味を込めてお渡しします。1,000円~1,500円程度のお茶菓子で、複数の人数で分けて食べられるようなもの、日持ちのするものが望ましいでしょう。あわせて、お礼の気持ちを言葉で伝えることが大切です。

なお、施設によっては、施設見学のための申請書が必要となる場合もあります。事前にフォーマットや提出方法について確認しておきましょう。新卒者の場合は、指導教員に相談しておくことが大切です。

当日は決して遅刻することのないよう、時間に十分な余裕を持って出かけてください。

9. 就職に有利なもの

  • 「臨床心理士」の資格は採用条件に挙げられる最も多い資格です。その他、精神保健福祉士や産業カウンセラー、保育士や教員免許など就職先によって求められる資格はさまざまです。進みたい仕事の領域に応じた資格を準備できれば有利になります。
  • 「実務経験問わず」という求人から「実務経験〇年以上」というものまでさまざまな求人が見られます。職場によって"経験はなくとも柔軟性のある若い人"を求めていたり、"十分に経験のある即戦力"を求めていたりします。迷うような求人情報を見つけたら、どのような人材を求めているのか、採用担当者に問い合わせてみましょう。

10. 転職のタイミング

  • 転職に至るまでには、その職場を離れても自分に残るもの(付加価値)をいくつかおさえておきましょう。
  • 最低限の付加価値として、臨床心理士の資格取得は最優先させましょう。次の就職の間口が大きく広がります。
  • 可能ならば、年度末など比較的異動の多い時期に退職しましょう。雇用主の都合を考えても、次の採用が行いやすい時期になります。
  • 可能ならば次の職場を見つけて、なるべく早い時期に、退職の意思を伝えます。民法上退職日の2週間前までと定められていますが、就業規則の多くは3ヶ月前の申し出を推奨しています。ケースの引継ぎなど、時間や配慮を多く必要とする仕事でもありますので、速やかに上司に伝えましょう。

11. 転職の際の注意点

  • 担当ケースの引継ぎ方法:所属機関によりけりなので、上司に相談しましょう。サマリーなど文書による引継ぎで終わる場合もあれば、後任者に同席してもらって引継ぎを行う場合もあります。
  • 情報管理について:退職後の事例研究を希望する場合は、退職までにクライエントに同意を求めておきましょう。情報の持ち出しについては、所属機関の規則に従います。
  • 今後の連絡先について:自分宛の郵便物などが転送されるように、手続きを済ませます。また、事務手続きやケースのことなどで問い合わせできるように、同僚には連絡先を伝えておきます。
  • クライエントへの退職の説明:非常にセンシティブな問題です。クライエントに退職の理由をどのように伝えるかについては、上司や同僚にもよく相談して考えましょう。

12. 職務経歴書の書き方

  • これまでの所属機関と職名、仕事内容について書くのが一般的です。
  • 職場によってニーズは異なりますが、たとえば医療機関の場合、プライバシーに配慮しながら、どのような診断名の患者様を何名担当したのか、どのような心理検査を何件担当したのかといった、具体的な情報を記述するのがよいでしょう。
  • すべての実務経験を均等に列挙するだけでなく、応募先に合わせて実務経験の強調点を変えてみましょう。



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